Species:Bupleurum

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属名のミシマサイコは、一般に、静岡県の三島が良品の産地とされたためと言われる。しかし要薬須知(松岡玄達 1726年/亨保11)正編5巻<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536607 用薬須知] 」コマ22</ref>および本草綱目啓蒙(小野蘭山 1805年/文化2)巻5<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2555476 本草項目啓蒙]」巻5コマ10</ref>には鎌倉柴胡を良品とするがその地の産は稀とある。三島の記載は無い。古今要覧稿 第5巻 草木部 下(屋代弘賢  明治38-40)<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/897550 古今要覧稿]」第393 コマ120</ref>においても、225ページ「のぐさ(鎌倉柴胡 韮葉柴胡)」の項で「相模鎌倉の産をもって最上とす」という表記がある。但し、次の226ページ左上にて「...鎌倉柴胡ト称スルモノ偽雑多シ用ユルニ堪ヘズミシマ柴胡ト呼ブモノ佳ナリ...今薬舗ニ三島柴胡ト称スルモノハ東国ヨリ出ス此ニハ単蘆ナルモノ多シ薬用ニ入ルベシ」との記載もある。ここから、明治後半に三島柴胡と称する商品が流通したことがみてとれる。時を下って大正になると、和漢薬物学(日野五七郎ほか 1918年/大正7)の249ページ<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/931642 和漢薬物学]」コマ137</ref>、北柴胡のルビにミシマサイコと記載がある(北柴胡が従来の柴胡、南柴胡または大柴胡は現在のホタルサイコ)。''Bupleurum falcatum'' L. の和名がカマクラサイコではなく、ミシマサイコになった理由は不明である。
 
属名のミシマサイコは、一般に、静岡県の三島が良品の産地とされたためと言われる。しかし要薬須知(松岡玄達 1726年/亨保11)正編5巻<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536607 用薬須知] 」コマ22</ref>および本草綱目啓蒙(小野蘭山 1805年/文化2)巻5<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2555476 本草項目啓蒙]」巻5コマ10</ref>には鎌倉柴胡を良品とするがその地の産は稀とある。三島の記載は無い。古今要覧稿 第5巻 草木部 下(屋代弘賢  明治38-40)<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/897550 古今要覧稿]」第393 コマ120</ref>においても、225ページ「のぐさ(鎌倉柴胡 韮葉柴胡)」の項で「相模鎌倉の産をもって最上とす」という表記がある。但し、次の226ページ左上にて「...鎌倉柴胡ト称スルモノ偽雑多シ用ユルニ堪ヘズミシマ柴胡ト呼ブモノ佳ナリ...今薬舗ニ三島柴胡ト称スルモノハ東国ヨリ出ス此ニハ単蘆ナルモノ多シ薬用ニ入ルベシ」との記載もある。ここから、明治後半に三島柴胡と称する商品が流通したことがみてとれる。時を下って大正になると、和漢薬物学(日野五七郎ほか 1918年/大正7)の249ページ<ref>国立国会図書館デジタルコレクション「[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/931642 和漢薬物学]」コマ137</ref>、北柴胡のルビにミシマサイコと記載がある(北柴胡が従来の柴胡、南柴胡または大柴胡は現在のホタルサイコ)。''Bupleurum falcatum'' L. の和名がカマクラサイコではなく、ミシマサイコになった理由は不明である。
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Revision as of 22:58, 26 February 2018

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Contents

ミシマサイコ属

属名のミシマサイコは、一般に、静岡県の三島が良品の産地とされたためと言われる。しかし要薬須知(松岡玄達 1726年/亨保11)正編5巻[1]および本草綱目啓蒙(小野蘭山 1805年/文化2)巻5[2]には鎌倉柴胡を良品とするがその地の産は稀とある。三島の記載は無い。古今要覧稿 第5巻 草木部 下(屋代弘賢 明治38-40)[3]においても、225ページ「のぐさ(鎌倉柴胡 韮葉柴胡)」の項で「相模鎌倉の産をもって最上とす」という表記がある。但し、次の226ページ左上にて「...鎌倉柴胡ト称スルモノ偽雑多シ用ユルニ堪ヘズミシマ柴胡ト呼ブモノ佳ナリ...今薬舗ニ三島柴胡ト称スルモノハ東国ヨリ出ス此ニハ単蘆ナルモノ多シ薬用ニ入ルベシ」との記載もある。ここから、明治後半に三島柴胡と称する商品が流通したことがみてとれる。時を下って大正になると、和漢薬物学(日野五七郎ほか 1918年/大正7)の249ページ[4]、北柴胡のルビにミシマサイコと記載がある(北柴胡が従来の柴胡、南柴胡または大柴胡は現在のホタルサイコ)。Bupleurum falcatum L. の和名がカマクラサイコではなく、ミシマサイコになった理由は不明である。

  1. 国立国会図書館デジタルコレクション「用薬須知 」コマ22
  2. 国立国会図書館デジタルコレクション「本草項目啓蒙」巻5コマ10
  3. 国立国会図書館デジタルコレクション「古今要覧稿」第393 コマ120
  4. 国立国会図書館デジタルコレクション「和漢薬物学」コマ137


Japanese Common Names: ブプレウルム, ミシマサイコ, シュラビーヘアズイヤー, レブンサイコ, ソロウワックス


Scientific Classification
(based on APG-II and Taxonomicon)
division
Jpn.
Tracheophyta
維管束植物門
class
Jpn.
Magnoliopsida
モクレン綱
subclass
Jpn. 亜綱
Asteridae
キク亜綱
order
Jpn.
Apiales
セリ目
suborder
Jpn. 亜目
[[:Category:|]]
infraorder
Jpn. 下目
[[:Category:|]]
parvorder
Jpn. 小目
[[:Category:|]]
superfamily
Jpn. 上科
[[:Category:|]]
family
Jpn.
Apiaceae
セリ科
subfamily
Jpn. 亜科
Apioideae
tribe
Jpn.
Bupleureae
subtribe
Jpn. 亜族
[[:Category:|]]
genus
Jpn.
Bupleurum
ミシマサイコ属



Information

Flavonoid

Crude Drugs

  • 生薬の柴胡はミシマサイコ(Bupleurum falcatum Linné)の根である。

Endangered Species

Rank Japanese Name (和名) Latin Name (学名)
絶滅危惧ⅠA類(CR) レブンサイコ Bupleurum ajanense
絶滅危惧Ⅱ類(VU) ミシマサイコ Bupleurum scorzonerifolium var. stenophyllum



English Codex Vegetabilis (1957)

Bupleurum rotundifolium  


Family/Genus Description

For comprehensive information, visit Bupleurum page. (BY Shigeharu Okamoto)

  • Bupleurum L.
セリ科 【属名】ブプレウルム;ミシマサイコ属 hare's ear; thoroughwax; bupleurum 約150種があり、おもに旧世界に広く分布する。一年草または多年草。
  • Bupleurum falcatum;Bupleurum chinense; Bupleurum sinense; Bupleurum falcatum var.scorzonerifolium
セリ科 ミシマサイコ sickle-leaved hare's-ear 多年草。葉は革質で鋸歯がなく卵形~長楕円形。複散形花序に黄色の小さな花がつく。薬用として漢方で重用されている。
  • Bupleurum fruticosum
セリ科 シュラビーヘアズイヤー shrubby hare's ear 常緑中低木。黄色い小花が球状の塊で咲く。
  • Bupleurum longeradiatum ssp.sachalinense var.elatius
セリ科 ホタルサイコ
  • Bupleurum ranunculoides ssp.alpinum
セリ科 レブンサイコ
  • Bupleurum rotundifolium
セリ科 ソロウワックス thorow-wax 一年草。葉は互生し、卵形~円形で鋸歯はなく、上部では茎が突き抜ける。枝先の散形花序に、苞葉のついた黄緑色の小さな花をつける。

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