Doc:Radiation/QA
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'''はい、適さないと思われます。''' 汚染状況は文部科学省による[http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/09/1910_092917_1.pdf 埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果] をご覧ください。飯舘村周辺は強制退去になっていますが、福島市周辺や二本松周辺ではそれに近い汚染が見られます。スポット的に高濃度汚染部もあるでしょうから除染をしないで住み続けることは避けたほうが良いでしょう。[[Doc:Radiation/Contamination|土壌汚染]]の項を見てください。除染の基本は「薄める」ことです。 | '''はい、適さないと思われます。''' 汚染状況は文部科学省による[http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/09/1910_092917_1.pdf 埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果] をご覧ください。飯舘村周辺は強制退去になっていますが、福島市周辺や二本松周辺ではそれに近い汚染が見られます。スポット的に高濃度汚染部もあるでしょうから除染をしないで住み続けることは避けたほうが良いでしょう。[[Doc:Radiation/Contamination|土壌汚染]]の項を見てください。除染の基本は「薄める」ことです。 | ||
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+ | セシウムは土壌に降り注いでいるので、植物から食物連鎖の体系に入り込みます。そのため、反芻動物(牧草や干し草が主食)が高濃度に汚染されやすいのです。具体的には、牧場で飼う牛、ヒツジ等が汚染されます。鳥や豚はもともと飼料の中心が(ほとんどが輸入の)穀物です。そのため、高濃度に汚染された地域で地鶏などを放し飼いにしていても、配合飼料を与えている限り、セシウムで汚染されることはありません。 | ||
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Revision as of 09:22, 3 October 2011
もくじ | 基礎知識 | 自然放射線 | 人体への影響 | 胎児と子供 | ファイトレメディエーション | 土壌汚染 | 移行係数 | 食品汚染 | 家畜汚染 | Q&A とリンク |
文責: 有田正規 (東大・理・生物化学) 質問、コメント、誤り指摘、リクエスト等は arita@bi.s.u-tokyo.ac.jpまで
Contents |
よくある質問
これまでのよくある質問をまとめました。
- ビタミンCに代表される抗酸化物質(フリーラジカル除去)は放射線防護に効きますか?
効きません。 ビタミンCに効果がないことはよく調べられています[1]。ビタミンC、ビタミンE程度の抗酸化作用では放射線によるDNA損傷は防げません。システアミンは放射線防護作用があることが知られていますが、副作用も強いので摂取してはいけません。
- 家庭用浄水器を使った方が良いでしょうか?
使うことで気分が落ち着く場合は使ってください。 放射性ヨウ素と異なり、放射性セシウムが地下水や水道水に入ることはまずありません。水道水は他の金属類を含め十分に浄化されているため、家庭において放射性核種を除く目的で浄水器を用いる必要はないと考えます。ただし、屋外で川の水や井戸の水を利用する際は、浄水器を使いましょう。(セシウムだけではなく他の物質を除くためにも。)
- 肉や野菜は水に浸してセシウムを除去したほうが良いでしょうか?
生体はカリウムと間違えてセシウムを取り込みます。水に浸してセシウムを除去できるのは事実ですが、同時にカリウムも減ってしまうので、カリウムの摂取量を減らさないように工夫してください。
逆にカリウムの摂取量を増やすことで体内からのセシウム排出を促すことができます。しかしカリウムの過剰摂取も健康を害するため、バランスのよい食事をとることが一番です。発ガンや健康リスクという観点からは、年間 100 mSv という被曝量より運動不足や野菜不足のほうがリスクが高いです。リスク比較については国立がんセンターのページを参考にしてください。
- 玄米を精米した際に取り除けるセシウム量は、玄米と白米におけるカリウム量から推定してよいですか。
はい。 基本的に、カリウム値を基準に考えてよいでしょう。
- 福島県、群馬県、栃木県における高濃度汚染地域は、今のまま長期間住むには適さないのでしょうか。
はい、適さないと思われます。 汚染状況は文部科学省による埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果 をご覧ください。飯舘村周辺は強制退去になっていますが、福島市周辺や二本松周辺ではそれに近い汚染が見られます。スポット的に高濃度汚染部もあるでしょうから除染をしないで住み続けることは避けたほうが良いでしょう。土壌汚染の項を見てください。除染の基本は「薄める」ことです。
- 牛肉はセシウムで汚染されましたが、なぜ豚や鳥は大丈夫なのでしょうか。
セシウムは土壌に降り注いでいるので、植物から食物連鎖の体系に入り込みます。そのため、反芻動物(牧草や干し草が主食)が高濃度に汚染されやすいのです。具体的には、牧場で飼う牛、ヒツジ等が汚染されます。鳥や豚はもともと飼料の中心が(ほとんどが輸入の)穀物です。そのため、高濃度に汚染された地域で地鶏などを放し飼いにしていても、配合飼料を与えている限り、セシウムで汚染されることはありません。
- 参考文献・解説
リンク
ここでは個々の学術論文ではなく、大部の報告書や勧告、まとまったウェブサイトへのリンクを掲載しています。
放射線リスク
1. 欧州放射線リスク委員会 (ECRR) による放射線被害に対する勧告 2010 年度改定版。ECRRというのはベルギーに本部を置く市民団体で、研究者や公的機関によるものではありません。
- The Health Effects of Ionising Radiation Exposure at Low Doses and Low Dose Rates for Radiation Protection Purposes: Regulators’ Edition (原発事故に対応し、今なら無料公開)
- ECRR2010翻訳委員会による日本語版
2. IAEA によるチェルノブイリ原発事故の報告書
3. 放射線医学総合研究所による解説。リスクという考え方や影響について大変よくまとまっています。
土壌浄化、ファイトレメディエーション
1. 米国環境保護庁 EPA による、ファイトレメディエーションに関する学術論文の一覧 (英語)
2. サイエンスメディアセンター
放射線データ、放射線の知識
1. 日本の環境放射能と放射線データベース
- 財団法人日本分析センター: 過去40年分の放射線測定情報を利用できます。食品中の放射線も確認できます。
- 放射性物質の測定法 セシウム, ヨウ素, ストロンチウム
2. 特定非営利活動法人 原子力資料情報室(CNIC)
3. 国会答弁、などなど