CrudeDrug:Moutan Cortex

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牡丹皮 (Moutan Cortex)

Paeonia suffruticosa Andrews:安徽省銅陵
Paeonia suffruticosa Andrews

牡丹皮はボタン科のボタンPaeonia suffruticosa AndrewsPaeonia moutan Sims)の根皮を基原とする。牡丹には鼠姑(ソコ)、鹿韮(ロクキュウ)、百両金、木芍薬、花王、洛陽花、富賞花などの別名がある。別名の「洛陽花」は洛陽の人々がこの牡丹の花を非常に好み親しんだことから、「花王」は花の中で牡丹が第一、芍薬が第二となっているところから花王と呼ばれた様に、観賞用の花弁に由来する別名が多くある。生薬としては丹皮、粉丹皮などの一般名がある。赤い色(丹)のものが上品とされ、たとえ種ができても芽で繁殖でき、薬用部位は根皮であることから牡丹皮と呼ばれた。牡丹の名は中国秦漢時代以前の文献には見当たらず、観賞用として花弁が称賛され、栽培が広がった隋唐時代以降において、一般の文献に見られるようになった。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌

牡丹皮

References

  1. 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
  2. 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
  3. 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS

Prescriptions 処方一覧

知柏地黄丸 (チバクジオウガン)  腸廱湯 (チョウヨウトウ)  大黄牡丹皮湯 (ダイオウボタンピトウ)  牛車腎気丸 (ゴシャジンキガン)  牛膝散 (ゴシツサン)  八味丸 (ハチミガン)  八味地黄丸 (ハチミジオウガン)  加味帰脾湯 (カミキヒトウ)  加味逍遙散 (カミショウヨウサン)  加味逍遙散加川芎地黄 (カミショウヨウカセンキュウジオウ)  桂枝茯苓丸 (ケイシブクリョウガン)  桂枝茯苓丸料加薏苡仁 (ケイシブクリョウガンリョウカヨクイニン)  杞菊地黄丸 (コギクジオウガン)  甲字湯 (コウジトウ)  芎帰調血飲 (キュウキチョウケツイン)  芎帰調血飲第一加減 (キュウキチョウケツインダイイチカゲン)  味麦地黄丸 (ミバクジオウガン)  六味丸 (ロクミガン)  清熱補血湯 (セイネツホケツトウ)  折衝飲 (セッショイン)  騰竜湯 (トウリュウトウ)  温経湯 (ウンケイトウ)  

歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載

利用する場合は以下を引用してください。

  • 矢作 忠弘,石内勘一郎,渥美 聡孝,三宅 克典,森永 紀,伏見 裕利,大山 雅義,森川 敏生,田中 謙,有田 正規,牧野 利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 1-36, 2017
番号 書名 出版年 記載
3 局方医薬品承認申請の手引き 1980 記載なし
4 生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンスついて(2015年12月25日薬生審査発) 2015 記載なし
5 JP7 第1部 大改訂版 第2部 解説書(1966) 1961 【適用】 漢方では停滞する血行の障害、腹中のかたまりや更年期の神経症および鎮静、鎮痛薬として月経の不順、困難などに用いられ、煎剤として1日6 g服用する。 2-493
6 JP8 解説書 1971 【適用】 漢方では停滞する血行の障害、腹中のかたまりや更年期の神経症に対し鎮静、鎮痛薬として月経の不順、困難などに用いられ、煎剤として1日6 g服用する。 (略)。 2-580
7 JP9 解説書 1976 【適用】 漢方では消炎性駆?血、通経、排膿などの目的で方剤に配合する。 〔薬理〕 (略) D-801
8 JP10 解説書 1981 【適用】 主として漢方処方用薬である。また、配合剤 (婦人用薬) の原料とする (略)。 漢方方剤: (略) D-827
9 JP11 解説書 1986 【適用】 主として漢方処方用薬であり、婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。また、配合剤 (婦人用薬)の原料とする (略)。 漢方処方: (略) D-870
10 JP12 解説書 1991 【適用】 主として漢方処方用薬であり、婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。また、配合剤 (婦人用薬)の原料とする (略)。 漢方処方: (略) D-876
11 JP13 解説書 1996 【適用】 主として漢方処方用薬であり、婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。また、配合剤 (婦人用薬)の原料とする (略)。 漢方処方: (略) D-982
12 JP14 解説書 2001 【適用】 主として漢方処方用薬であり、婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。また、配合剤 (婦人用薬)の原料とする (略)。 漢方処方: (略) D-1054
13 JP15 解説書 2006 【適用】 主として漢方処方用薬であり、婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。また、配合剤 (婦人用薬)の原料とする (略)。 漢方処方: (略) D-611
14 JP16 解説書 2011 【適用】 主として漢方処方用薬であり、婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。また、配合剤 (婦人用薬)の原料とする (略)。 漢方処方: (略) D-740
15 登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会_試験問題の作成に関する手引き(厚生労働省医薬食品局総務課2007年7月) 2007 芍薬と同様な作用(鎮痛鎮痙作用、鎮静作用を示し、内臓の痛みにも用いられる)が期待される(P. 65)。痔に伴う症状の緩和を目的として使用される(P. 126)。鎮痛鎮痙作用が期待される(P. 132)。
19 『改訂生藥學』アルベルト・ウィカンド 大井玄洞 1887 記載なし
20 『生藥學』第5版 下山順一郎 1901 記載なし
21 『簡明生藥學』島崎健造 1909 記載なし
22 『最新薬学全書 第6編 生薬学』 伊藤治輔 編、日本薬学講習会 1913 記載なし
23 『生藥學』第13版 下山純一郎 朝比奈泰彦 1916 記載なし
24 『和漢薬物学』日野五七郎 一色直太郎 同済号書房 たにぐち書店復刻版 1931 正P131: 婦人下腹部の硬塊と?血を除き、頭痛及腰痛を去り、痛風を治し、月経を通じ、打撲傷の疼痛を緩解するの効あり。
25 『薬理的生薬学』村上師壽 三省堂 1933 P111: 去痰薬とす。
26 『生藥學』第20版 下山順一郎 朝比奈泰彦 藤田直市 1934 記載なし
27 『生藥學』第27版 下山純一郎 朝比奈泰彦 藤田直市 1943 記載なし
28 『生藥學教科書』木村康一 1949 記載なし
29 『最新生薬学』刈米達夫 1949 記載なし
30 『生薬学』三橋博、醫學書院 1958 記載なし
31 『生薬学』第4版、藤田路一 1963 記載なし
32 『新編生薬学』東丈夫 名越規朗 廣川書店 1965 P85: 漢方: 消炎駆?血剤。温経湯など
33 『生薬学総論』柴田承二 東丈夫 木島正夫 下村孟 廣川書店 1966 P78: 消炎、鎮痛作用ある駆?血剤
34 『生薬学』稲垣勲 嶋野武 嶋田玄彌 長沢元夫 南江堂 1967 P51: 消炎性浄血剤、鎮痛剤、虫垂炎治療。1日6 g(煎)。
35 『和漢生薬』刈米達夫 廣川書店 植物分類学での順 1971 P199: 浄血、消炎、鎮痛薬。炎症を去り體内の古血をとる働きがある。
36 『最新生薬学 第三改槁版』刈米達夫 廣川書店 1973 P224: 浄血、消炎、鎮痛薬。炎症を去り体内の古血を去る働きがある。
37 『スタインエッガー・ヘンゼル生薬学〔上〕‐化学・薬理学へのアプローチ‐第3版』糸川秀治 太田明廣 西川嘉廣 廣川書店 1975 記載なし
38 『スタインエッガー・ヘンゼル生薬学〔下〕‐化学・薬理学へのアプローチ‐第3版』糸川秀治 太田明廣 西川嘉廣 廣川書店 1976 記載なし
39 『生薬学』 木島正夫 澤田徳之助 秦清之 朝倉書店 1978 P80: 漢方では停滞する血行の障害を去る効があり、駆?血作用があり、消炎・解熱・鎮痛薬である。更年期障害の神経症、止血、通経の効もある。
40 『新常用和漢薬集』訂正第2版 東京生薬協会 編集 南江堂 1978 P125: 鎮痛、鎮静、駆?血などの効ありとし、漢方薬方に配合される。
41 『最新生薬学総覧』伊沢一男 学文社 1978 P15: 浄血、鎮静、鎮痛、排膿、通経薬として漢方に応用される。
42 彩色写生図 日本の薬用植物〔生薬〕 生薬-成分-漢方-〔処方例〕高取治輔 廣川書店 1980 P109: 消炎、駆?血、止血、鎮痛
43 『生薬学第2版』北川勲 三川潮 庄司順三 滝戸道夫 友田正司 西岡五夫 廣川書店 1982 P236: 漢方で消炎性駆?血、通経、排膿などを目標に用いる。
44 『コメンタリー局方生薬』初版 桑野重昭 山内和子 米田該典 廣川書店 1984 P362: 効能記載なし  P362: 漢方で清熱薬(炎症または体温上昇による充血・出血、打ち身・捻挫による内出血、寝汗、月経不順、急性虫垂突起炎などに)として処方。婦人用家庭薬製剤に配合。
45 『新訂生薬学 第2版』長沢元夫 野呂征男 萩原幸夫 木村孟淳 南江堂 1987 P60: 消炎性浄血剤、鎮痛剤、鎮痙薬。1日6 g(煎)。
46 『コメンタリー局方生薬』 第2版 桑野重昭 山内和子 米田該典 廣川書店 1987 P408: 効能記載なし  P408: 漢方で清熱薬(炎症または体温上昇による充血・出血、打ち身・捻挫による内出血、寝汗、月経不順、急性虫垂突起炎などに)として処方。婦人用家庭薬製剤に配合。
47 『INTEGRATED ESSENTIALS 生薬学 改訂第3版』三橋博 指田豊 山﨑和男 南江堂 1989 P131: 駆?血作用を主とする漢方処方に用いられ、とくに血行障害のある婦人科疾患に有効: 加味逍遙散、桂枝茯苓丸。
48 『生薬学概論』 難波恒雄 津田喜典編 南江堂 1990 P298: 鎮静、鎮痛、駆?血、婦人病薬。
49 『生薬学改訂第4版』 三橋博 井上隆夫編集 南江堂 1992 P132: 駆?血作用を主とする漢方処方に用いられ、特に血行障害のある婦人科疾患に有効
50 『天然薬物・生薬学』 初版 奥田拓男編 廣川書店 1993 P109: 婦人藥などの漢方薬に配合。
51 『薬用資源学』初版 山崎幹夫 斉藤和季編 丸善 1997 P227: 婦人用薬
52 『漢方薬理学』高木敬次郎 木村正康 南山堂 1997 P418: 漢方処方用薬、婦人用薬配合剤として月経不順、腹痛、頭痛に用いる。1日最大分量8 g、粉末は2 g。
53 『生薬学概論(改訂第3版)』 難波恒雄 津田喜典 南江堂 1998 P298: 鎮静、鎮痛、駆?血、婦人病薬。
54 『生薬学第6版』 北川勲 三川潮 庄司順三 滝戸道夫 友田正司 西岡五夫 廣川書店 2001 P231: 漢方で消炎性駆?血、通経、排膿などを目標に用いる。
55 『INTEGRATED ESSENTIALS 生薬学 改訂第6版』 指田豊 山﨑和男 南江堂 2002 P165: 駆?血作用を主とする漢方処方に用いられ、とくに血行障害のある婦人科疾患に有効: 大黄牡丹皮湯、八味地黄丸、加味逍遙散、桂枝茯苓丸等。
56 『入門漢方医学』初版 日本東洋医学会学術教育委員会 編 日本東洋医学会発行 2002 P156: 通経、消炎、鎮痙
57 『漢方・生薬学』久保道德 吉川雅之 廣川書店 2003 P148: 駆?血作用の漢方処方に配合され、婦人薬の温経湯などに配合される。
58 『薬学生・薬剤師のための知っておきたい生薬100ー含漢方処方ー』第1版、日本薬学会編、東京化学同人 2004 P107: 駆?血作用があって、婦人病とみなされる処方などに配合される。配合処方: 温経湯、加味逍遙散、?帰調血飲、?帰調血飲第一加減、桂枝茯苓丸、牛膝丸、大黄牡丹皮湯、八味地黄丸、六味丸、牛車腎気丸。
59 『薬学生のための漢方薬入門』第2版、指田豊 三巻祥浩、廣川書店 2004 P97: 消炎性の駆?血薬として、頭痛、腹痛、腰痛、月経不順、月経困難などに応用する。処方例: 温経湯、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、杞菊地黄丸、牛車腎気丸、折衝飲、大黄牡丹皮湯、八味地黄丸、六味地黄丸
60 『スタンダード薬学シリーズ3 化学系薬学Ⅲ 自然が生み出す薬物』第1版 社団法人日本薬学会 編 東京化学同人 2005 P28: 鎮静、鎮痛、駆?血薬として、頭痛、腹痛、婦人科疾患などの停滞する血行障害に用いる。
61 『薬用植物学 改訂第6版』 野呂征男 水野瑞夫 木村孟淳 田中俊弘 南江堂 2006 P142: (略)漢方の要薬で下腹部の鎮痛薬、鎮痙薬、通経薬、消炎性駆?血薬とする。
62 『パートナー生薬学』 指田豊 山﨑和男 竹谷孝一 南江堂 2007 P156: 配合剤(婦人用薬)の原料とする。漢方では、清熱し血熱を鎮める、?血を除き生理を調える薬能がある。吐血、鼻出血、発疹、血便、痙攀性発作、生理不順、生理痛、腹痛、腰痛腹部の硬結、虫垂炎などの化膿性疾患、打ち身などを主治する。婦人薬とみなされる漢方処方に配剤されている。
63 『生薬単』 伊藤美千穂 北山隆 NTS 2007 P176: 抗菌、駆?血。漢方では、駆?血、通経、排膿のために婦人病薬として用いられてきた。
64 『ベーシック薬学教科書シリーズ⑦生薬学・天然物化学』吉川雅之編 化学同人 2008 P80: 漢方では代表的な駆?血薬である。消炎、鎮痛、通経、排膿、止血作用があるとし、関節炎、腰痛、頭痛、婦人病などに用いる処方に配合される。漢方処方: 大黄牡丹皮湯など
65 『伝統医薬学・生薬学』 御影雅幸 木村正幸 南江堂 2009 P189: 鎮静、鎮痛、駆?血、婦人病薬。(中)清熱涼血薬。方剤: 温経湯、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯、八味地黄丸。
66 『日本伝統医学テキスト漢方編』平成22-23年度厚生労働科学研究費補助金『統合医療を推進するための日本伝統医学の標準化』研究班 2012 P370: 駆?血薬として漢方処方に配合されている。
67 『新訂生薬学 改訂第7版』 木村孟淳 田中俊弘 水上元 南江堂 2012 P55: 消炎性浄血薬、鎮痛薬、鎮痙薬として漢方処方用薬。1日6 g(煎)。
68 『歴代日本薬局方収載生薬大事典』 木下武司著 2015 P355: 婦人用家庭薬に配合するほか、多くの漢方処方に配合。
73 青本「化学」、薬学ゼミナール 2016 P581: 浄血、鎮痛、婦人薬
74 コアカリ重点ポイント集「化学系薬学」改訂第4版 薬学ゼミナール 2014 P149: 鎮静、鎮痛、駆?血
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